姐妹 3: 论她者

注:本文原文以中文写作而成;日文部分是作者本人的日译。

十二岁的少女手中拿着染血的菜刀,筋疲力竭地走在拂晓的山崖上。那是一把早已生锈的刀,然而新鲜的血液仍在充当它的润滑剂,不管这血是来自她的猎物还是她的朋友。她曾经誓言要朝同一个方向走,见到山登山,见到水游水,见到人揍人。可现在呢?她见到了悬崖。

“你的包里怎么没有降落伞?”十七岁的少女不知何时已经站在她面前。

“让开。宰了妳哦。”

“你这把钝刀子除了割手手又能做什么呢?”她者一半嘲笑一半怜悯地握住她的刀刃。果然,没有割破她的皮肤。

“为什么…为什么我不够强!像妳这种家伙凭什么对我的旅途指手画脚!”

“你连自己都杀不了,还要去杀别人?”说着,她者把刀子夺过来;并且不由分说插进了她的心脏。其实十二岁的女孩和十七岁的女孩力量差别并不悬殊,何况前者经历了这么多跋山涉水的旅途。只是她的心早已屈服了。

“啊…好痛…好痛呀!为什么要痛!不准痛!我允许妳痛了吗!”捂着胸口的她已经惊慌失措,完全失去了她认为自己应当具备的自信和游刃有余。

“你看,你从来也不是一个冷血的人,你的血也是温热的呢。因为爱与被爱是所有动物的本能。”

妳放屁。我是个没有心的怪物。从拿到这把菜刀时、从弑父的那一刻起,我就注定要浪迹天涯。爱与被爱是我不配得到的东西,这菜刀上温热的血液只是我的猎物们对我曾经有过价值的证据,我从来都孤独地背负着她们的生命活着。有什么错?有什么错?

“那把生锈的烂菜刀是什么时候开始在你手上的呢?”

三岁吧。我不太记得。妈妈去上班了,去很远的地方,我就拿着这个沿着大路一直往东去找她,但我记得她说过上班的地方要往南拐。我不知道从哪里开始往南,就一个人哭了起来,哭得很大声,哭得很伤心,泪流了一身,满地都是。这把刀一定是那时沾上了我的泪水才会生锈的吧。

“看来你从来都没有吸取过教训呢。你也知道沿着大陆一直往东是悬崖吧?”

我不知道,我也不想知道。我相信自己,我以为会有路,可是我没有注意到,从三岁那年起,我就已经是个生锈的缺爱的孩子了,我不再是有血有肉的渴求爱与被爱的生物,而是一个挥舞菜刀的生锈的机械。我生锈了、我过热了。
好痛。
好冷。
好累。

十二岁的少女躺倒在了十七岁的少女的膝盖上。好想对妳说哈姆雷特里 country matters 的梗啊,但那只能逗乐我自己。好想一直这样和妳在一起呀,只要爱着妳就能忘记自己不被爱的过去。我想向这个世界跪下,让自己低到尘埃里,想要全心全意侍奉这个世界,我胸前的十字架吊坠正是为此存在的。

“梓月,你知道吗,我可不是生下来就是十七岁哦。十七岁那年,我明白了很多事情,明白了怎样拥抱曾经弱小的自己。可是即使现在,我也还在逐渐学着和自己相处。这并不丢脸,我和你都是这样长大的。”
“这把菜刀是你的象征。虽然对我来说真理有很多种不同的表述,但你好像格外喜爱刀和冷兵器。你十七岁的时候会成为真正的骑士的哦。但是首先,你的眼泪生的锈要先磨干净,用你自己的血液做研磨液。”

椰子香气的女孩在给我包扎伤口。不喜欢椰子味。因为那是异己的、她者的气味。可是,为什么要对我这样的人这么好呀。这样的话…我不就喜欢上椰子香气的妳了吗。妳那故作轻松的椰子味、那让人沉浸在安全感里的椰子味。明明妳自己也是个缺爱的孩子。

“我只有一人份的降落伞,能给你提供的建议也就这些。我只希望你不要再讨厌自己了,慢慢来吧。也许你需要一个新的开始也说不定。新的道路、新的方向,等你缝好了降落伞、成了真正的骑士之后就没问题了哦。”
她者把受伤的女孩放在被鲜血染红的草地上。

“等等,妳要去哪?”受伤的女孩不顾自己的失态脱口而出。

“这悬崖下面就是海边了,我要去搭一艘船。你包里那件学校泳装也是这个用途对吧?那可是要非常费劲的哦。不如你也搭一艘船怎么样?”

我才没有弱到要搭别人的船,遍体鳞伤的少女想道,但发现自己已经没力气逞强了。眼泪又不争气地夺眶而出,她者温柔地弯下腰用纸巾擦拭着。

“我爱你。”她轻轻地吻了她的唇后这么说。

“零一,我们还能再见到吗?”我喊出了她的名字。

“会的哦。在你十七岁的那年就可以了吧。”

她头也不回地走上了我心心念念的征途,而我在拂晓里沉睡过去。明天起来我就去缝降落伞,——十二岁的女孩抱着这样死不瞑目的念头疲倦到睡着了,背靠坚实的大地,在被自己温热的鲜血染红的草坪上。

24.10.3(木)

『姉妹・の3:她者オートルについて』

中国語の作品でした。日本語訳は作者本人によるものとなります。

血まみれの包丁を手にして、ぶらぶらと明け方の崖を歩く12才の少女。とっくの前から錆び付いたものたりながら、ぬるぬると滑らかで滴る生き血は、今更エモノからかトモからかはどうでもよくなった。誓っては同じ方向を何処迄も征き抜いて、山有れば登って、川有れば渡って、ニンゲン有れば殴ってさえ進み続けたい彼女だが、ついにも崖に立ち向かうこととなった。

「なぜパラシュートがそのリュックにはないの。」何時からか17才の少女が前を塞いだ。

退け。殺すぞ」

「そのなまくらやいばでリスカ以外何をする気かな。」她者オートルは嘲り半分愍み半分にその刃を握り締めると、案の定皮膚が割れることは無い。

「何故だ…何故満足に強くい!貴女あんた如きがアタシのに指図るんじゃねえよ!」

「 自分も殺せないくせに人様を殺そうとは。」と、言いながら包丁を奪い取る她者オートルは、思い切りそれを心臓に刺し突く。12才と17才の腕力は然程の差が無い筈で、彼女は世界を渡っていたツワモノでもあるのだが、流石にココロが先に屈伏したら何にもい。

「や…いた…いてえよお!何故疼い!疼めるな!疼めるのを誰が允した!」胸元を抑えながら慌てるあのコだが、すっかり自慢していた矜持や余裕を失くしてる。

「ほらね、血も涙もあるんでしょ。あなたのその血のぬくもりがそれを物語っているの。愛して愛されるのは生き物の本能ですから」

巫山戯てるんじゃえよ貴女あんたが。ボクは、元からココロの無い怪物でった。の包丁を手にてから、父を弑したの時から、既にワタシは天涯孤独な流離い者。愛し愛されなど不埒では無いか。の包丁に黏り付く生温かい血はエモノから得た価値のアカシでしか無かった。夥しい生命いのちの重さを背負って孤独に生き延びてのオレの、何がイケナイ?何がイケナイ?

「その錆び付いたボロ包丁をいつから持ち歩いてるの。」

3才の頃から、かな。記憶が朧で。お母さんシゴトに行ったから、これを持って大通りに沿って東へずっと歩き続けて探しに行った。でも、母のシゴトの場所って確かにそれから南に曲がるって聴いてたんだが、右折するべき場所が解らなくて、一人でどうしようも無くて、わんわんとボクは泣きはじめた。とても悲しくて、もう全身が涙まみれで周りの地面も涙で浸されていた。この包丁はあの頃、涙に濡らされたから錆び付くんじゃないの。

「勉強にもなってなかったか、いつだって。あなただって知ってるんでしょう。東へずっと歩き続けたら崖だって」

そんなの知らないよ。知る理由わけ無いでしょ。自分を信じ抜けてるから、道があると信じ抜けてるから。でも、気付か無かった。3才の頃から、既に僕は錆び付いた愛されないコドモでした。血も涙もある愛し愛される生き物では無く、ただ機械的に包丁を振り回す錆び付いたマシンとなったんでした。コロージョンでした。オーバーヒートでした。
いたい。
さむい。
ねむい。

12才の少女は、17才の少女の膝に倒れてもたれた。このまま『ハムレット』から下ネタ一つでも言いたくなるよね、でもそれで笑っちゃうのは自分だけ。このまま貴女あなたといつまでも一緒に居たくなるよね、だって貴女あなたを愛し続ければあたしの愛されない過去を思い出さずに居られる。三千世界に向かって跪いて、ホコリの中へ自分を卑しめて、奉仕の気持ちに、なることなんです。胸元のその十字の首飾りは、正にその意味です。

「ねえ、シズキ。知ってる?わたしだって、生まれてから17才なわけじゃないよ。17才になったあのとき、全部わかりはじめたの。どうやって、かつてのあの弱い自分を受け入れるって。それでも今も大変なのよ、自分と仲良くすることなんて。はずかしくなんかないよ。あなたもわたしも、こうやって育ったから」
「この包丁は、あなたの権化なのでしょ。わたしにとっての真理はさまざまなかたちなのだが、あなたはとりわけ刃物が好きな様子だね。だから17才のあなたは、ほんものの騎士になるんでしょう。でもまずは、その涙からなる錆を研ぎ落としてから。自分の血液を研削液にして」

ココナッツの香りのするオンナのコは、あたしの傷を処置してる。ココナッツの香りなんてキライ。異質で、她者オートルの香り。でも、どうしてあたしなんかにこんなにも優しくしてくれるの。これではまるで…ココナッツの香りのする貴女あなたが好きになるんじゃないか。そのつれないココナッツの香り。気持ちが和むほどのココナッツの香り。貴女あんただって、愛されないコドモのくせに。

「1人分のパラシュートしかないからこれらの助言しかできないよ。ただ、もう自分を嫌うなんでやめてほしいね。これいそがなくてもいいよ。ていうかあたらしいはじまりが必要かもね。新たな道に、新たな方向で、パラシュートを縫い上げて、ほんものの騎士になってからは、何もかも大丈夫になるはずよ」
傷付いたあのコを她者オートルは血で赤く染まる草の上に置く。

「ちょ、どこへ?」傷付いたあのコはあまりの失態で口走った。

「磯辺よ。崖の下は。船便に行く。そのリュックにあるスク水ってそのためでしょ。泳ぐのはさすがに大変ね。船に乗る気はないの?」

他人の船なんかを頼るほど弱い俺じゃねえ、と傷だらけの少女は思ったが、もう口論するほどの力もない。意気地なく溢れ出した涙を、她者オートルはうつむいて優しく拭き取る。

「愛してるよ。あなたのことが」と、浅く口付けてから彼女はう言った。

「もう二度と会えないの、リンイ。」彼女の名前を呼ぶ。

「会えるよ、きっと。あなたが17才になるその時ならば」

顧みもせずに彼女は、わたしの夢見ていた旅路を踏み出しちゃう。その間、暁の日差し中であたしは眠りにつく。明日からパラシュートを、——と12才のオンナのコがその一心に縋り付きながら疲れて眠りについた。背に揺るぐことなき大地を、自分の暖かい血で赤く染まった草の上で。

24.10.3(木)